「暇と退屈の倫理学」
著者は國分功一郎。
暇と退屈をテーマにした、哲学の本。
浪費と消費は違う。
浪費は物を伴う。それゆえ、満足、終わりがある。
消費は観念、意味を消費する。それゆえ、満足、終わりがない。
退屈には3つある。
第一形式は「駅で電車を待つような退屈」
第三形式は「なんとなく退屈」
第一、第三形式は「何かの奴隷になる」点で自己喪失が強く、原理的に同じで、まとめられる。
普段、人間は第二形式の退屈を生きている。ここから第一、第三の形式に移行し、何かの奴隷になっている感があったら注意が必要。
物を享受し(浪費し)、楽しむ、ときおり退屈、という第二形式の状態に戻る方が幸せ。
楽しむためには訓練が必要とも書かれている。
暇と退屈についての思考が深くなれる本。
折に触れて、時々読みたい楽しい本。